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製造業のBtoBサイト制作|設計者・調達担当が見ている情報と、問い合わせが来るページ構成

「BtoBサイト制作」で検索すると、必要なページの一覧が出てきます。サービス紹介、強み、導入事例、料金、お役立ち資料、ブログ、問い合わせフォーム。ただ、その多くはソフトウェアやサービス業のサイトを前提にしたものです。受託加工や部品製造の会社が同じ構成で作ると、料金ページには書くことがなく、お役立ち資料は作れず、結局は会社案内をそのまま載せたサイトになります。

この記事は、製造業のBtoBサイトに絞って書きます。見に来るのは、メーカーの設計者と調達担当です。その人たちがいつ探し、何の言葉で検索し、サイトのどこを見て、どう問い合わせるのか。発注側に聞いた調査をもとに整理し、そこから逆算したページ構成を示します。

見に来るのは誰で、いつ探すのか

大手メーカーの開発設計者4名に、新しい外注先をどう探すかを聞き取った調査があります(テクノポート、2023年12月〜2024年1月、MONOist 2024年4月26日掲載)。4名なので数字ではなく、行動の型として読んでください。

まず、新しいサプライヤーを探すのは「既存のサプライヤーでは対応できないとき」です。量産なら、いまの取引先とコストが折り合わないとき。試作なら、治工具のような一点物を作るときや、新規開発でいまの取引先では難しそうだと判断したとき。日頃から探しているのではなく、必要が生じたときに探し始めます。

探す順番は、社内の購買担当に聞く、取引のある商社に聞く、それでも見つからなければ展示会かWeb検索、でした。Web検索の手順は、Googleにキーワードを入れ、検索結果から気になるページを開き、中身を見て興味を持てば問い合わせる、というものです。

つまり、製造業のBtoBサイトは、いつ来るかわからない相手が、困ったときに検索して、たまたま開くものです。営業のように「こちらから会いに行く」ことはできません。相手が探しに来たときに、見つかる状態にしておくことが全部です。

何の言葉で検索されているか

同じ調査で、設計者が実際に使う検索語も聞いています。材料名(SUS304、PTFE、チタン、タングステン)、加工法(絞り、鍛造、切削、コーティング、押出)、部品名、OEM、大量ロット、一貫生産。多種多様でしたが、共通点が1つあります。設備名や地域名で検索することは少ない、という点です。

これは、多くの製造業サイトの作り方と逆です。設備一覧を並べ、「〇〇市の金属加工」を打ち出しているサイトは多いのですが、設計者はそこから探していません。「SUS304 絞り加工」「チタン 切削 小ロット」のように、材料と加工と条件の組み合わせで探しています。

Web制作者が動画で、製造業サイトのページの分け方について話していました。運営する側は、いろいろな加工を1ページにまとめたほうが楽です。しかし、探す側は「プレス加工」「穴あけ加工」と1つのことだけを検索します。まとめるとキーワードが混ざって検索に出ず、技術力で劣る会社でも、加工ごとにページを分けているところのほうが見つかって問い合わせを取っていく、と(YouTube「製造業でやるべきWebページの分類方法」)。

愛知県のネジのプレス加工の町工場が、ホームページを作るときに、扱う加工の中から「六角穴打ち加工」(ネジの頭に六角の穴を開ける技術で、やる会社が減っている)の1つに絞って打ち出したところ、それまで県内が主だった受注先が全国に広がり、航空・宇宙産業からも受注が来るようになった、という話を制作会社が動画で紹介しています(YouTube「製造業、町工場のマーケティング成功事例」。制作会社の事例紹介なので、その点は割り引いてください)。

サイトのどこを見て、何社と比べるのか

設計者がサイトで最も重視するのは、製品や取引先などの「実績」でした。ISO認証の取得は、さほど重視されていません。製品写真は1点ずつより集合写真を好む、技術実績はグラフなどで図示してあるとよい、そして、不具合が起きたときの対応実績や方法が書いてあると加点になる、という回答もありました(同調査)。

もう1つ、検索結果の見方です。ページのタイトルだけでなく、その下に出る説明文(ディスクリプション)も読んで、開くかどうかを決めているそうです。検索語がタイトルと説明文にあり、その前後に技術情報や実績の具体例が見えると開かれます。

比べられる社数も見ておきます。業務用の製品・サービスの購入決定に関わる200名への調査では、比較検討する社数は3〜5社が60%、1〜2社が32%でした。情報源は企業の公式Webサイトが70%で最多、展示会41%、業界紙32%。サイトで見たい情報は、基本情報71%、競合との比較41%、導入事例39%です(イントリックス、2024年12月)。大手BtoBサイト197サイトを対象にした別の調査でも、購入検討時の情報源は企業のWebサイト58.3%が最多で、カタログ37.1%、営業説明36.0%と続きます(トライベック「BtoBサイト調査2025」)。

まとめると、こうなります。困ったときに材料名と加工名で検索し、タイトルと説明文で開くページを決め、実績を見て、3〜5社を比べ、問い合わせる。製造業のBtoBサイトは、この流れに沿って作ります。

製造業のBtoBサイトのページ構成

上の調査から逆算すると、必要なページは次の7つです。SaaS向けの「料金」「お役立ち資料」の代わりに、「対応範囲」「見積依頼」が入ります。

1. 加工・製品ごとに1ページ

「加工内容」という1ページに全部を書かず、絞り、切削、溶接、表面処理と、加工ごとにページを分けます。各ページに、対応できる材質、サイズの範囲、精度、ロット、納期の目安を書きます。設計者が検索する「材料名×加工名」に、そのページが答える形です。

2. 製作実績

一番見られるページです。写真、材質、寸法、ロット、用途(差し支えない範囲で)、納期を、1件ずつ。取引先の業種(自動車部品、半導体製造装置、医療機器など)も、社名を出せなくても業種で書けます。実績ページは作ってからも増やし続けるので、増やしやすい形にしておきます。

3. 設備一覧

設備名で検索はされませんが、比較の段階では見られます。型番だけ並べず、その設備で何ができるか(加工できるサイズ、精度)を添えます。

4. 対応範囲と、断る条件

材質、サイズ、ロット、納期について、「できること」だけでなく「対応していないこと」も書きます。1個からの試作は受けるのか、量産は月何個までか、図面なしの相談は受けるのか。断る条件を書くと問い合わせが減りそうに見えますが、合わない問い合わせが減り、合う問い合わせの返事が早くなります。3〜5社と比べられている相手にとって、返事の速さは選ぶ理由になります。

5. 品質と、不具合が起きたときの対応

検査の方法、測定機器、不良が出たときにどう連絡しどう対応するか。設計者の回答にあった「不具合時の対応が書いてあると加点」は、ここです。ISO認証は、あれば書きますが、それだけでは足りません。

6. 会社概要

創業年、所在地、従業員数、主要取引先の業種、沿革。調達担当は、取引を始める前にここで会社の実在と規模を確かめます。

7. 見積依頼フォーム(図面を添付できる)

製造業の問い合わせは、「図面を送って見積もりを取りたい」がほとんどです。問い合わせフォームに図面(PDF、DXF、STEPなど)を添付できる欄、材質、数量、希望納期の欄を用意します。添付できないフォームだと、相手はメールで送り直すことになり、その手間で他社に行きます。フォームの横に電話番号と受付時間を置き、返信の目安(「営業日1日以内にご連絡します」)を書きます。

問い合わせのハードルを下げる方法として、「問い合わせ」の前に「資料ダウンロード」を置く考え方があります(テクノポート「BtoBメーカーのマーケティング」)。受託加工なら、加工事例集や対応範囲の一覧表をPDFにして、会社名とメールアドレスで受け取れるようにする形です。設計者が社内で共有しやすくなり、こちらからも連絡できるようになります。

作ってからのこと

鋼材商社の2代目社長が、事例動画でこんな趣旨のことを話していました。訪問営業に頼るのをやめ、Web中心の営業に切り替えた。自動見積のサイトを作り、社員がSNSに半年以上毎日投稿し、名刺をデータ化してメールマガジンを送り、そこから商品サイト、会社サイトへ来てもらう流れを作った、と(YouTube「【Zoho導入事例・製造業】深江特殊鋼株式会社」。商社なので受託加工とは業態が違いますが、考え方は同じです)。

製造業のホームページ成功事例を50社取材した制作会社の記事では、共通点は「誰に何を売るかを決めた」「狙ったキーワードで検索上位に出た」「公開後も分析と改善を続けた」の3つで、実例として1年で26件の新規受注につながる問い合わせを得た受託加工会社などが紹介されています(テクノポート。制作会社の自社事例です)。

サイトを作った時点では、実績ページは数件、加工ページは数枚です。設計者が検索するのは多様な材料名と加工名なので、対応できる組み合わせを1つずつページにし、実績を1件ずつ足していく。これを続けられる契約になっているかは、制作を頼む前に確かめておく項目です。見積書で確認することは「製造業のホームページ制作会社の選び方」の記事にまとめました。

まとめ

  1. 製造業のBtoBサイトを見に来るのは設計者と調達担当で、既存の取引先で対応できないときに検索する
  2. 検索語は材料名と加工名。設備名・地域名ではあまり探されない
  3. 一番見られるのは実績。不具合時の対応が書いてあると加点
  4. 3〜5社と比べられる。対応範囲と断る条件、返信の速さで選ばれる
  5. ページは加工ごとに分け、図面を添付できる見積依頼フォームを置く

製造業の会社のためのホームページ制作サービス「製造WEB」では、加工ごとのページ、製作実績、図面を添付できる見積依頼フォームを、この構成で用意します。初期費用0円の月額制で、公開後に実績や加工ページを足していく作業も月額の中で担当します。いまのサイトが会社案内のままになっている会社は、ご相談ください。

ホームページのつくり直し、採用ページの新設をお考えですか?製造WEBは、製造業の会社のためのホームページ制作サービスです。初期費用0円の月額制で、取材と原稿づくりから公開後の更新まで担当します。

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