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ハローワークで製造業の求人が埋まらない理由|9割が空振りの中で、無料でできる7つの手

「ハローワークに出しているけれど、応募が来ない」。製造業の会社から一番よく聞く話です。有料の求人媒体に出す前に、ハローワークで何が起きているのかを数字で確かめ、無料でできることをやり切ってからでも遅くありません。この記事は、厚生労働省の統計と、各地のハローワーク・労働局が出している資料をもとに書いています。

ハローワークの求人は、全国で9割が埋まっていない

厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2024年度(令和6年度)の全国のハローワークでは、月平均で829,343件の新規求人に対して、就職件数は95,303件でした。新規求人に対する就職の割合(充足率)は11.5%です。前年度は11.8%、その前は11.7%で、ここ数年は1割強で推移しています(厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)」参考統計表)。

ハローワークの充足率(年度平均)

日本経済新聞は2025年5月に、2024年(暦年)の採用割合が11.6%で統計開始以来の最低だったと報じました。1960年代半ばには50%近く、2009年でも31.9%だったものが、ここまで下がっています(日本経済新聞 2025年5月19日「ハローワーク、求人出しても9割空振り」)。

つまり、「うちだけ応募が来ない」のではなく、ハローワークに出した求人の9割近くが、どこの会社でも埋まっていません。この前提に立つと、やることが変わります。

製造業と言っても、職種で求職者の数がまるで違う

もう1つ、先に見ておきたい数字があります。ハローワークの職業別の有効求人倍率です。求職者1人に対して求人が何件あるかを示します。2025年12月の全国の数字(常用・パート含む)を、製造業に関わる職種で並べます。

職種有効求人倍率
全職業の平均1.17倍
生産工程の職業(全体)1.61倍
製品製造・加工処理(金属製品)2.07倍
製品製造・加工処理(金属製品以外)1.72倍
機械組立0.78倍
機械整備・修理4.29倍
製品検査(金属製品)1.12倍
建設・採掘(参考)5.38倍

(厚生労働省 同上 参考統計表。全国・令和7年12月)

製造業に関わる職種の有効求人倍率(2025年12月)

金属加工の職種は、求職者1人に対して求人が2件あります。応募が来ないのは、書き方の前に、探している人が少ないからです。逆に、機械組立は0.78倍で、求人より求職者のほうが多い。同じ「製造業の求人」でも、自社の職種がどちら側かで打つ手が変わります。求職者が少ない職種なら、数少ない求職者に選ばれるための情報の出し方が全部です。求職者が多い職種なら、他社の求人票との比較で負けない書き方が要ります。

なお、生産工程の職業だけで見ても、2025年12月の1か月で新規求人63,455件に対して就職は8,303件、13.1%です。製造業も、全体とほぼ同じ「9割が埋まらない」状況です。

求人票で、実際に読まれている場所

ハローワーク品川が公開している動画に、求職者が求人票のどこを見ているかをアイトラッキングで実験した結果があります。最も見られていたのは「仕事の内容」欄でした。求職者に「改善してほしい情報」を聞いた調査でも、「担当する仕事の具体的内容」が飛び抜けて多かったそうです。

さらに大事な指摘があります。ハローワークインターネットサービスで検索すると、まず検索結果の一覧が出ますが、そこに表示されるのは仕事の内容欄の先頭3行だけです。見栄えをよくしようと1行空けると、その分が消えます。品川では、これを「はじめの3行コンサルティング」と呼んで求人者に助言しているとのことです(YouTube「ハローワーク品川『応募が集まる求人作成のヒント』」)。

求人票の各欄に書ける文字数は決まっています。仕事の内容は30字×12行の360字、事業内容と会社の特徴はそれぞれ90字、そして「求人に関する特記事項」が30字×20行の600字で、一番多く書けます(社会保険労務士事務所各社の求人票解説より。様式は変わることがあるので最新の求人申込書で確認してください)。

無料でできる7つの手

1. 仕事の内容の先頭3行に、作業と製品を書く

「金属加工業務全般」では、一覧で読み飛ばされます。何を、どんな機械で、何のために作るかを先頭の90字に入れます。例えば「NC旋盤で自動車部品(直径30〜80mmのシャフト)を加工する仕事です。図面を見て材料を取り付け、寸法を測るところから覚えていきます」。これで90字前後です。

2. 特記事項の600字を、教える順番に使う

特記事項は、仕事の内容に入り切らなかったことを置く場所です。製造業の未経験者が一番知りたいのは、入ってからどう教えてもらえるかです。最初の1週間、1か月目、一人立ちまでの段階と、配属先の人数構成、選考の進み方を書きます。この内容は採用ページの原稿と同じなので、先に書いておくと両方に使えます。

3. 写真を10枚まで登録する

求人者マイページの「事業所情報設定 → 画像情報」から、1事業所につき10ファイル(1ファイル2MBまで)の写真を登録できます。建物の外観、工場内、使っている機械、製品、作業風景、会社案内など。ハローワークインターネットサービスの求人詳細画面と、ハローワークの窓口で求職者に見せられます(石川労働局・岐阜労働局の案内チラシ。従業員の写真を載せるときは本人の承諾が要ります)。

ハローワーク七尾(石川県)は、職員が会社を訪問して写真を撮り、画像情報を作って公開する取り組みをしていて、そのチラシでは「充足率が約2倍」と紹介されています(令和7年度上期実績。分母の記載はありません)。求人票は文字だけなので、写真があるだけで差がつきます。

4. 採否の連絡を、求人票に書いた日数より早く

香川労働局のリーフレットには、求職者からの相談として「応募書類を送ったのに面接日時の連絡がない」「採否決定までの日数を過ぎても連絡が来ない」が挙げられています。採否の連絡があるまで、他の会社への応募を控えている人もいる、とも書かれています(ハローワーク高松「募集・採用に関するトラブルが増えています」)。

求人票の「採否決定までの日数」は守るよう求められています。遅れるときは、期限内に理由を添えて連絡します。不採用のときは応募書類を速やかに返し、返却するかどうかを備考欄に書いておくとトラブルになりません。ここは費用がかからず、今日から直せます。

5. オンライン自主応募を「可」にして、マイページを毎日見る

求職者がハローワークの窓口を通さず、求職者マイページから直接応募できる仕組みがあります。求人側が「可」にしていないと使えません。注意点は、応募があってもハローワークから電話は来ないことです。求人者マイページを見なければ気づきません。応募に気づかず放置すると、4の「連絡が来ない会社」になります。

2026年3月のリニューアルで、求人者マイページに動画のURLを登録できるようになりました。工場の様子を1分撮った動画があれば、それも載せられます。

6. 充足して取り下げた求人票は、内容を整えてから再掲する

ハローワークの求人票を作る社会保険労務士が、動画でこんな話をしていました。以前に内容を作り込んだ求人票を、一度充足して取り下げ、同じ内容でもう一度出したら、その日に応募が来た。理由は「新着扱いになって目立ったこと」と「中身が最初から整っていたこと」の2つだった、と(YouTube「ハローワークに求人出したら、なんと応募がその日にきた!」)。

有効期限が切れたまま放置せず、内容を見直してから更新すれば、新着として一覧の上に出ます。

7. 会社名で検索したときに出てくるホームページを整える

求人票を見た人の次の行動は、会社名での検索です。ここで何が出てくるかは、求人票の外側の話ですが、応募するかどうかを決めているのはここです。

熊本県で製造業の会社を経営している方が、動画でこんな趣旨の話をしていました。以前は休みの多さや給与を前面に出していたら、休みと金額だけを見て来る人ばかりだった。いまは、どういう会社で何をやりたいのかを先に書き、来てほしい人を絞って書いている。応募の数はかなり減ったが、一人一人の質は上がった。求人からホームページに来てもらい、そこで詳しく書き、求職者向けの動画にも誘導している、と(YouTube「製造業でもインディード求人は書き方一つで欲しい人材が集まるコツ」)。

求人票は書式が決まっていて、どの会社も同じ見た目です。特記事項の600字で書き切れないこと、写真10枚で足りないことは、ホームページに載せて、求人票からそこへつなぎます。応募前に会社名で検索されていることは「製造業の人手不足、自社で変えられること」の記事に、採用ページに載せる項目は「製造業の採用サイト制作」の記事に書きました。

ハローワークだけで足りないとき

ハローワークの求人は、Indeedなどの求人検索エンジンにも転載されます。ただ、転載されることと、検索結果に表示されることは別です。求人代行会社の記事では、Indeed日本は登録17万社・月間追加求人280万件で、無料枠は表示されにくく、ある市名での検索例では8件中7件が有料枠だったと紹介されています(メリット「『ハローワークの求人はIndeedにも出るんでしょ?』に隠れた落とし穴」)。

上の7つをやっても応募がなければ、職種の倍率を思い出してください。求職者が少ない職種で、地域の求職者に届き切っているなら、次は有料媒体か、ハローワークの外にいる人(いま働いている人、地域の家族)に届く手段です。Indeedの運用をしている方がXで、早朝シフトの求人はIndeedでは決まらず、通える範囲が狭いのだから折込チラシや地域の掲示のほうが合う、採用の窓口は複数持っておいたほうがいい、という趣旨のことを書いていました。ハローワークも、そのうちの1つとして使います。

まとめ

  1. ハローワークの求人は全国で約9割が埋まっていない。自社だけの問題ではない
  2. 自社の職種の倍率を見る。金属加工は2倍超(求職者が少ない)、機械組立は0.78倍(求職者が多い)
  3. 仕事の内容の先頭3行、特記事項600字、写真10枚、採否連絡の速さ、オンライン応募、再掲、会社名検索の7つは無料でできる
  4. 求人票に書き切れないことは、ホームページに載せて求人票からつなぐ

製造業の会社のためのホームページ制作サービス「製造WEB」では、求人票の特記事項と同じ内容を、写真つきの採用ページとして用意します。初期費用0円の月額制で、求人票を更新するたびにホームページ側も直せます。求人票の書き直しから相談したい会社は、お問い合わせください。

ホームページのつくり直し、採用ページの新設をお考えですか?製造WEBは、製造業の会社のためのホームページ制作サービスです。初期費用0円の月額制で、取材と原稿づくりから公開後の更新まで担当します。

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