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製造業のWebマーケティングの全体像|展示会・紹介と組み合わせる3つの置き場

製造業のWebマーケティングの全体像

「Webマーケティング」と聞くと、SEO、広告、SNS、メルマガ、動画と、施策の名前が並びます。製造業の会社がそれを全部やることはできませんし、やる必要もありません。この記事では、中小企業の実態を数字で確かめ、製造業ではWebがどこで見られているのかを押さえた上で、やることを3つの置き場に絞ります。用語はできるだけ使いません。

中小企業のWebマーケティングの実態

全国の経営者・役員200名に聞いた調査(2025年11月、業種は限定なし)では、年間のマーケティング予算が99万円以下の会社が58.5%でした。取り組んでいる施策はSEO・コンテンツ制作27.5%、SNS広告19.5%、リスティング広告18.5%。ところが、成果を「十分に感じている」会社は10.0%で、「あまり感じていない」41.0%、「全く感じていない」23.5%を合わせると6割を超えます。成果が出ない理由は、「社内にマーケティングの知見がない」31.0%、「分析や改善ができていない」23.0%、「コンテンツ制作のリソースが足りない」18.5%の順でした(LiKG「Webマーケティング投資実態調査2025」)。

製造業に絞った調査もあります。製造業の社長〜部長職149名への調査(2022年9月)では、Webマーケティング施策を「既に実施している」29.3%に対し、「興味はあるが着手方法が分からない」24.1%、「興味なし・時期尚早」28.6%。ホームページの運用状況は「有効活用できている」43.0%、「リソース不足で改修できない」34.4%でした(Mtame「製造業が抱えるデジタルマーケティングに関する課題」意識調査)。

つまり、多くの会社が予算100万円以下で、何から手を付けるか分からず、やっている会社も成果を感じていない、という状態です。「うちが遅れている」のではなく、そういう分野です。

製造業では、展示会がいまも最多

製造業で非SaaS商材のマーケティングに関わる129名への調査(2026年3月)では、実施率が最も高い施策は展示会・イベント出展(オフライン)52.7%で、Web広告47.3%、オンライン展示会38.0%と続きます。Web施策に限ると、Webサイトの拡充40.3%、SNS広告33.3%、SEO25.6%です(メディックス「2026年版 BtoBマーケティング担当者アンケート」。マーケティング担当がいる会社の調査なので、中小の実態より上振れしていると見てください)。

ここで大事なのは、展示会や紹介がWebに置き換わるのではない、という点です。大阪でマーケティング支援をしている方が、動画でこう説明していました。展示会や対面営業が不要になったのではなく、展示会で会った後にWebサイトを確認する、営業の提案を受けた後に導入事例を検索する、という動きが当たり前になった。だから、オフラインの営業の成果を高めるには、調べられたときに見られるWeb側の情報を整えておく必要がある、と(YouTube「製造業のWebマーケティング戦略!」ファインデーク)。

裏付けになる数字もあります。業務用製品の購入決定に関わる200名への調査では、情報源は企業の公式Webサイト70%、展示会41%、業界紙32%で、比較検討するのは3〜5社が60%でした(イントリックス、2024年12月)。展示会で名刺交換した相手も、あとで会社のサイトを見て、他の数社と比べています。

Webが見られる3つの置き場

製造業のWebマーケティングで、相手が実際に見る場所は3つです。この3つを整えることが本体で、SNSや広告は、その後に余力があれば、で構いません。

1. 自社のホームページ(展示会・紹介の後に見られる)

展示会で会った人、紹介された人、営業の提案を受けた人が、会社名で検索して開くのがここです。見られるのは、製作実績、対応できる材質・サイズ・ロット・納期、設備、会社の実在と規模です。大手メーカーの設計者への聞き取りでは、サイトで最も重視するのは製品や取引先の実績で、ISO認証はさほど重視されていませんでした(MONOist 2024年4月)。

何を載せるかで迷ったら、「当たり前になっている技術」から書きます。ものづくりのコミュニティを運営している方が、動画でこんな趣旨のことを話していました。町工場の人は、自分たちの技術がすごいことに気づいていない。当たり前になりすぎて発信していない。発信し合うと「それ、すごいね」と気づき、技術の掛け合わせも生まれる、と(YouTube「製造業、製造装置メーカーを取り巻く課題とは?」ものづくりサロン)。社内では当たり前の「この材質でこの精度」「この数量なら3日」が、外から見た強みです。ページの構成は「製造業のBtoBサイト制作」の記事にまとめました。

2. 検索(困ったときに材料名×加工名で探される)

紹介も展示会もなく、いきなり来る問い合わせの入口がここです。設計者が外注先を探すのは、既存の取引先で対応できないときで、検索語は材料名と加工名の組み合わせです。検索数は月に数十回でも、図面を持った人の検索なので、受注に近い。やることは、材料×加工の組み合わせごとにページを分け、タイトルと説明文をページごとに書き、強みを数字で書くこと。詳しくは「製造業のSEOは『材料名×加工名』から」の記事に書きました。

3. Googleマップ(会社名で検索すると右側に出る情報)

会社名で検索すると、検索結果の横や地図に、会社名・住所・営業時間・写真・口コミが出ます。これはGoogleビジネスプロフィールという無料の仕組みで、登録していなくてもGoogleが勝手に作っていることがあります。古い住所や、退職した社員が載せた写真がそのままになっていないか、一度見てください。

Googleのガイドラインでは、対象は「顧客が訪れることのできる実在の店舗や拠点、または顧客のいる場所に出向くビジネス」です。来客のない工場や事務所でも、拠点の住所にプロフィールを1つ作り、サービス提供地域を指定する形が用意されています。ビジネス名は看板や書類で実際に使っている名称、カテゴリは中核事業に当てはまるものを少なく、というのが決まりです(Google ビジネスプロフィール ヘルプ「ガイドライン」)。求職者が会社名で検索したときにも、ここが最初に目に入ります。整え方は別の記事にまとめます。

施策より先に決めること

上の動画で、製造業のWebマーケティングは「戦略設計→施策の選定→実行」の順で、よくある失敗は「競合がSEOをやっているからうちも」「まず広告」と施策から入ることだ、と話されていました。最初に決めるのは、誰に向けるかです。同じ加工でも、設計担当者は公差・材質・品質を見て、購買担当者は価格と納期を見ます。求職者はまた別のものを見ます。誰に向けたページかを決めないと、3つの置き場に何を書くかが決まりません。

施策を選ぶときの基準も、同じ動画の言葉を借りると「目的と時間軸」です。すぐに結果が欲しければ広告、資産として続けるなら検索対策。予算100万円以下なら、まず1と3(自社サイトとGoogleマップ)を整え、次に2(材料×加工のページ)を月1本でも足していく順が、費用の面でも無理がありません。

SNSとメルマガは、余力があれば

SNSは、会社の宣伝より経営者個人の発信のほうが効きます。大手メーカー出身の起業家が動画で、名刺は2年前から増えなくなったがFacebookのつながりは増えている、プロフィールを丁寧に書いて週2回投稿しておくと、面識のない人にも「何をやっている人か」が伝わり、頼みごとが通る、と話していました(YouTube「SNSを活用した中小製造業の拡販戦略」)。展示会で会った人と、あとからつながっておく道具として使えます。メルマガや技術コラムは、問い合わせが来るようになった後に、相手との接点を続ける道具です。3つの置き場より先にやるものではありません。

まとめ

  1. 中小企業のWebマーケティングは予算100万円未満が6割、成果実感1割。迷っているのは自社だけではない
  2. 製造業では展示会が最多。Webは展示会・紹介の「後」に見られる場所として整える
  3. 見られる置き場は3つ: 自社サイト(実績と対応範囲)、検索(材料×加工のページ)、Googleマップ(会社名検索で出る情報)
  4. 施策より先に「誰に向けるか」を決める。予算が小さいなら、自社サイトとGoogleマップ→材料×加工のページの順
  5. SNSは経営者個人の発信、メルマガは問い合わせが来た後。余力があれば

製造業の会社のためのホームページ制作サービス「製造WEB」では、3つの置き場のうち自社サイトと検索用のページを、この考え方で作ります。公開後に材料×加工のページや実績を足していく作業も続けて担当します。何から手を付けるか分からない会社は、「誰に向けるか」を決めるところから、ご相談ください。

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