「採用サイトを作りたい。自分で作れるのか、業者に頼むべきか」。製造業の総務の方からよく聞く相談です。結論から言うと、自分でも作れます。ツールは月数百円からあり、2週間〜1か月で公開できます。ただし、作れることと、応募が来ることは別です。この記事では、作る前に決めること、自社で作る手順、外注するなら聞くこと、SNSの位置づけを順に書きます。載せる7項目は「製造業の採用サイト制作」の記事に、会社案内との違いとIndeedにつなぐ条件は「製造業の採用ホームページ制作」の記事にあります。
作る前に決めること: 応募を増やすのか、絞るのか
上場企業で採用マーケティングを担当していた人が、動画で採用サイトの5つのステップを説明していました。最初のステップは、方向性を決めること。応募の数を増やしたいのか、それとも減らして絞りたいのか。絞るのは悪いことではなく、採りたい人だけに向けることで、人事の無駄な工数が減る、と(YouTube「後悔しない採用サイトを作るための5ステップ」)。
製造業の中小企業なら、多くの場合は「絞る」です。日本政策金融公庫の調査では、中途採用で応募者数が採用予定数を超えた中小企業は63.0%でした。応募はあるが、採りたい人ではない。増やすより、合う人に届くページのほうが、面接の手間も入社後の離職も減ります。
2つ目のステップは、理想の応募者を決めること。同じ動画で、新卒か中途か、職種が何かで求める人も響く言葉も全く違う、混ぜると「誰にも刺さらないサイト」になる、職種が複数なら採用トップは案内ページにして職種別のページを作る、と話されていました。これはIndeedに自社ページを直接載せる条件(1つのURLに1職種)とも一致します。
自社で作る手順
1. ツールを選ぶ(月数百円から)
2026年時点の比較記事では、ノーコードのSTUDIOは無料プランがあり有料は月590円(年払い)から、WordPressは本体無料でサーバー代が月数百円から、制作期間の目安はSTUDIOが2週間〜1か月、WordPressが1〜3か月とされています(swooo「STUDIOとWordPress徹底比較」。料金は変わるので各社の料金ページで確認してください)。IT支援をしている方も動画で、自分でも作れるが「根性は必要」で、ゼロから作るならコーディングの知識が要るので、Jimdo・Wix・STUDIOのような市販のツールをワープロ感覚で使うのを勧めていました(YouTube「ホームページは自分で作れる?」)。
会社のホームページがすでにWordPressで作られているなら、その中に採用ページを足すのが一番早いです。業者が管理していて触れないなら、ノーコードツールで採用ページだけ別に作り、会社サイトからリンクします。
2. 原稿を書く(ここが9割)
ツールより時間がかかるのが原稿です。書くのは、仕事の中身、一日の流れ、教える順番、一緒に働く人、休日と残業の実際、資格支援、会社の安定性の7項目(「製造業の採用サイト制作」の記事)。
書き方で1つ、上の動画にあった指摘を挙げます。社員インタビューを載せる目的は、「自社が最も欲しい人に『自分のことだ』と思ってもらうため」で、理想に近い社員を3人ほど並べる。内容をぼかすと応募の数は増えるが刺さらない、と。製造業なら、未経験で入って3年目の人、他社から移ってきた経験者、40代で入った人、のように、採りたい人と同じ経歴の社員に「入社前に不安だったこと」「最初につまずいたこと」を聞きます。「株式会社〇〇は創立何年で」から始まる文章は、今の求職者には響かないと製造業の社長も話していました。
3. 写真を撮る(スマートフォンで足りる)
建物の入口、働く場所、使う設備、休憩室、そして人。撮り方は「工場の写真の撮り方」の記事にまとめますが、最低限、名札・書類・パソコンの画面・車両番号が写り込んでいないかを拡大して確認し、人が写る場合は本人の許可を取り、退職した人の写真をいつ消すかを先に決めておきます。
4. スマートフォンで送信までテストして公開する
担当者自身のスマートフォンで開き、文字の大きさ、横へのはみ出し、応募ボタンの位置を見て、フォームを実際に送信します。求人票と自社ページで給与や休日がずれていないかも、横に並べて照合します。年齢制限の表現と労働条件の明示は法令が関わるので、厚生労働省の案内を確認してください。
5. 公開後に、月1回だけ触る
学生への調査では、情報が古いと志望度が下がる人が88.1%でした。お知らせを1本、写真を1枚、社員の話を1人。月1回で構いません。更新が止まったページは、更新が止まった会社に見えます。
外注するなら、聞くこと
上のIT支援者は動画で、「数万円の安いホームページ屋に頼むのは危険」とも話していました。理由は、安く仕上げる業者は検索順位のことを考えていないことが多く、1〜2年後に全部作り直しになるケースが多いから、と。金額だけで選ばず、次の5つを聞いてください。
- 原稿は誰が書くか。「御社でご用意ください」なら、上の7項目を書く時間が自社に要ります。取材して書いてもらうなら、その分が見積もりに入ります
- 写真は誰が撮るか。プロが撮るのか、自社で撮った写真を使うのか
- 職種ごとにページを分けられるか。1ページ固定の格安プランだと、Indeedの直接連携ができません
- Googleしごと検索の構造化データ(JobPosting)を入れてもらえるか
- 公開後の更新をどう頼むか、何日で反映されるか、月額に含まれるか
契約書で確認する項目(ドメインの名義、解約時のデータ引き渡し、リース契約でないこと)は「製造業のホームページ制作会社の選び方」の記事にまとめました。
SNSは「最終確認の場」
InstagramなどのSNSを採用に使う話も、よく出ます。SNS運用の支援をしている方が、美容室やピラティススタジオの事例をもとに動画でこう説明していました。求職者はIndeedや求人広告やハローワークでまず会社を知り、二次チェックとしてInstagramを見て「本当に入りたいか」を判断する。SNS単独で完結するのではなく、求人票の裏側を写真と動画で見せる場所だ、と。総務省の2024年の調査では20代の約80%がInstagramを使っています(YouTube「中小企業のためのInstagram採用活用術」。店舗業の事例なので、製造業はその点を差し引いてください)。
同じ動画にあった指摘で、製造業にも当てはまるのが「隠さない」ことです。昭和の内装でも隠さず「掃除にはこだわっている」と見せる。プライバシーと機密のNGだけ決めておき、散らかった備品はカメラの外に動かせばいい、と。製造業なら、工場の古さより、通路に物がないか、工具が定位置にあるかが伝わる写真のほうが、応募者の判断材料になります。
順番は、求人票→採用ページ→SNS。採用ページができていないうちにSNSを始めても、最終確認の場だけがある状態になります。
まとめ
- 作る前に「応募を増やすか、絞るか」を決める。製造業の中小は多くの場合、絞る
- 職種が複数なら職種別ページ。理想の応募者を職種ごとに決める
- 自作はできる。ツールは月数百円から、期間は2週間〜1か月。ただし原稿が9割
- 社員インタビューは、採りたい人と同じ経歴の社員に「入社前の不安」「最初のつまずき」を聞く
- 外注するなら、原稿・写真・職種別ページ・構造化データ・更新の5つを聞く。金額だけで選ばない
- SNSは求人票→採用ページの後の最終確認の場。隠さず、NGだけ決める
製造業の会社のためのホームページ制作サービス「製造WEB」では、原稿は担当者が現場をうかがって書き、職種ごとにページを分け、Googleしごと検索の構造化データを入れて作ります。公開後の月1回の更新も続けて担当します。自分で作るか外注するか迷っている会社は、上の5つの質問をそのまま、ご相談ください。
