「初期費用0円、月額9,800円でホームページが持てます」。この広告を見て検討している製造業の会社に、先に伝えておくことがあります。多くのサブスク型は、ホームページを「持つ」契約ではなく「借りる」契約です。解約すると、サイトは消えます。この記事では、サブスク型の仕組みと落とし穴、リース契約との違い、解約しても残る契約の条件を書きます。製造WEBも初期費用0円の月額制なので、最後に同じ表で自社の条件を示します。
サブスク型は、何を借りているのか
サブスク型のホームページ制作は、制作会社が用意したテンプレートとサーバーの上に自社のページを置き、毎月使用料を払う形が多い。制作会社の解説では、月額は9,800円からが多く、最低契約期間があり、途中で解約すると残りの月数分を請求される、更新月以外の解約で追加費用がかかる、という例が挙げられています。解約後は、サイトが非公開になるか削除され、ドメインは制作会社の名義で登録されていることが多いので移管に費用がかかり、データの所有権が制作会社にあってバックアップも渡らない、というのが典型です(プロパゲート「サブスク ホームページ 解約前に必読」。制作会社の記事です)。
つまり、借りているのは、テンプレート、サーバー、ドメイン、そして自社の原稿と写真を載せたページそのものです。家賃を払っている間だけ住める賃貸と同じです。
落とし穴4つ
1. 解約すると、サイトが消える
賃貸なので当然ですが、契約時には意識されません。3年使って、業者を替えようとした瞬間に、ページも写真も原稿も消える。作り直しは一からです。
2. ドメインが制作会社の名義
会社の住所にあたるドメイン(〇〇.co.jp)が制作会社の名義だと、解約後に同じURLが使えません。名刺、パンフレット、取引先の登録、検索の評価、すべてやり直しです。権利の買い取りに50万円を求められた例もあります(「製造業のホームページ制作会社の選び方」の記事)。
3. 最低契約期間と、残額の請求
「月額9,800円」の横に小さく「最低契約期間36か月」とあれば、途中解約で残りの月数分がまとめて請求されることがあります。契約書の「契約期間」「中途解約」「違約金」の3か所を、契約前に読みます。
4. 総額が、買い切りを超える
月額9,800円は安く見えますが、60か月で588,000円です。製造業のホームページ制作の発注データでは中央値が約54万円、50万円以下が48%なので、5年使うとサブスクの総額が買い切りの相場を超えます(プロパゲート、Web幹事)。買い切りにはサーバー・ドメインの実費(年数千円〜数万円)と保守費がかかるので単純比較はできませんが、「月額×使う年数」を自分で計算せずに契約しないことです。
リース契約とは、別物
サブスクと混同されやすいのが、リース契約です。ホームページの制作はサービスなのでリースの対象になりません。そこで、パソコンやホームページ作成ソフトを「物件」にしてリース会社と契約させる形が取られます。契約の相手は制作会社ではなくリース会社で、原則として途中解約できず、事業者間の契約なのでクーリング・オフも使えず、月3万円で5年なら180万円を払い終えてもホームページは自社の資産になりません。制作会社が倒産してもリース会社への支払いは続きます。大阪の事務所が5年リースの4年目に制作会社の倒産で、ドメインもサーバーもリース会社名義で移管できず、新しいドメインで一から作り直した例があります(「製造業のホームページ制作会社の選び方」の記事)。
サブスクは制作会社との契約で、最低期間を過ぎれば解約できます。リースはリース会社との契約で、解約できません。契約書に「リース」「賃貸借」「〇〇ファイナンス」の文字があるか、契約の相手が誰かで見分けます。
消えない契約の条件5つ
サブスク型でも、解約後にサイトが残る契約はあります。「借りる」と「持てる」を分ける条件は5つです。
- ドメインが自社名義。制作会社に取得を代行してもらう場合も、登録者は自社にする
- 解約時にデータ一式(HTML、画像、原稿)が引き渡される。それが書面に書いてある
- 解約後のサイトの扱い(消えるのか、自社サーバーに移せるのか)が書面に書いてある
- 最低契約期間と違約金の額が、月額の横に同じ大きさで書いてある
- 月額に含まれる作業が項目で書いてある。管理費の相場では、月5,000円以下はサーバー・ドメインの維持のみ、5,000円〜2万円でSSL・更新・障害対応、2万〜5万円でCMS保守とレポート、5万円以上でコンサルティングが目安です。更新代行は文字修正1か所3,000円、画像1か所5,000円が相場(Web幹事「ホームページ管理費の相場」)。「更新無制限」の中身が、この相場のどこにあたるかを確認します
5つがそろっていれば、月額制でも「持てる契約」です。そろっていなければ、月額がいくら安くても「借りる契約」です。
製造WEBの条件を、同じ表で
製造WEBは初期費用0円の月額制です。だから、上の5つの条件は、製造WEBを検討していただくときにもそのまま当てはめてください。
| 条件 | 製造WEB |
|---|---|
| ドメインの名義 | 自社(御社)名義。取得の代行は行うが登録者は御社 |
| 解約時のデータ引き渡し | HTML・画像・原稿の一式を引き渡す |
| 解約後のサイト | 御社のサーバーに移して継続できる |
| 最低契約期間・違約金 | お見積り時に書面でお示しする |
| 月額に含む作業 | お知らせの追加、写真の差し替え、ページの追加、サーバー・ドメイン・SSLの更新、不具合対応を項目でお示しする |
契約期間と月額に含む作業の細目は、お見積りの段階で書面でお渡しします。この表の項目が書面に無い制作会社なら、月額の安さで選ばないでください。
まとめ
- サブスク型の多くは「借りる」契約。解約するとサイトが消える
- 落とし穴は、消えるサイト、制作会社名義のドメイン、最低契約期間と残額請求、5年で買い切りを超える総額
- リース契約は別物。契約の相手がリース会社で、解約できない
- 「持てる契約」の条件は、ドメイン自社名義、データ引き渡し、解約後の扱いの明記、期間と違約金の明記、月額の作業の明記
- 月額×使う年数を、自分で計算してから契約する
製造業の会社のためのホームページ制作サービス「製造WEB」は、上の表の条件で、初期費用0円の月額制を提供しています。いま契約中のサブスクが「借りる契約」か「持てる契約」か分からない会社は、契約書の写しを持って、ご相談ください。
