自社の会社名をGoogleで検索してみてください。検索結果の右側(スマートフォンなら上のほう)に、会社名、住所、営業時間、写真、評価の星が出ているはずです。これがGoogleビジネスプロフィールです。飲食店や美容室の集客ツールとして知られていますが、来客のない工場にも存在します。この記事では、工場にとってこの情報が何で、誰が見ていて、Googleの公式ガイドの範囲で何を整えるかを、順番に書きます。
登録していなくても、存在している
Googleビジネスプロフィールは、会社が登録しなくても、Googleがインターネット上の情報や利用者の投稿から自動的に作ります。GoogleビジネスプロフィールのGoogle公式の解説動画でも、オーナーが登録していない場合は最低限の情報や利用者の投稿による誤った情報が載っている場合があるので、まず自社のプロフィールが存在するかを確認し、存在するならオーナー確認をして正しい情報にすることが大切だ、と説明されています(YouTube「Googleビジネスプロフィールとは?使い方完全講義」)。
つまり、放置している工場の場合、移転前の住所、廃止した電話番号、10年前に誰かが撮った外観、社員でない人が付けた星が、会社名で検索したときの一番目立つ場所に出ている可能性があります。
誰が見ているのか
工場の場合、見ているのは客ではありません。主に3種類です。
1つ目は求職者です。求人票を見た人は、応募前に会社名で検索します。ホームページを開く前に、地図と写真と星が目に入ります。転職者の9割が応募前に会社の情報を見ていることは「製造業の人手不足、自社で変えられること」の記事に書きました。
2つ目は、展示会や紹介で会った相手です。名刺の会社名を検索して、住所と規模を確かめ、ホームページに進みます。3つ目は、取引前に会社の実在を確かめる調達担当や金融機関です。
BtoBの経営者向けにIT活用を解説している方が動画で、Googleマップは飲食店だけのものではなく、BtoB企業でも「ウェブサイトに来る前に、Google上で会社情報を見てもらえる」場所で、レビューは読む側にとってはレビューだが、会社にとってはコミュニケーションの道具だ、と話していました(YouTube「Googleマップを駆使していないBtoB企業経営者へ」)。
Googleのルールで、工場はどう扱われるか
Googleのガイドラインでは、対象は「顧客が訪れることのできる実在の店舗や拠点、または顧客のいる場所に出向くことができるビジネス」です。来客のない工場や事務所は、「非店舗型」として、拠点の住所にプロフィールを1つ作り、サービス提供地域を指定し、住所を非表示にする形が用意されています。来客があるなら、住所を表示して構いません。ビジネス名は看板や書類で実際に使っている名称、カテゴリは中核事業に当てはまるものをできるだけ少なく、私書箱は不可、と決められています(Google ビジネスプロフィール ヘルプ「ガイドライン」)。
カテゴリはGoogleの一覧から選ぶ仕組みで、独自には作れません。メイン1つに追加を最大9つ。製造業なら「金属加工業者」のような製造系のカテゴリがあります(一覧は変わるので、管理画面で確認してください)。
もう1つ、押さえておきたい原文があります。地図での表示順は「関連性・距離・知名度」で決まり、知名度は「ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数など」に基づく。そして、「Googleでは、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」(同「ローカル検索結果の掲載順位を改善する」)。「上位表示を保証」という営業は、この一文と合いません。
工場が整える5つ
店舗向けの整理として、SEO支援者がXで「基本情報を100%埋める、写真を週1回以上、口コミに24時間以内に返信、投稿機能で週1回、Q&Aを自分で作って回答」の5つを挙げていました(事例は飲食店)。これを工場向けに読み替えると、次のようになります。
1. オーナー確認をして、基本情報を全部埋める
会社名、住所(非店舗型なら非表示)、電話番号、営業時間、ウェブサイトのURL、カテゴリ、事業内容の説明文。Googleのヘルプは、正確な住所、営業時間、業種、属性、写真・動画を載せることを推奨しています。オーナー確認の方法は、電話・SMS、メール、ライブビデオ通話、ハガキです。ハガキは通常14日以内に届き、コードの有効期限は30日、審査は5営業日ほど。注意点は、ハガキを待っている間にビジネス名・住所・業種を編集するとコードが無効になることです(同「ビジネスのオーナー確認」)。
2. 写真を、外観・工場内・設備・製品の順に
JPGかPNG、10KB〜5MB、720×720ピクセル以上、ピントが合って明るいもの、過度な加工なし、が公式の要件です。動画は30秒以内。工場なら、建物の外観(求職者が面接に来るときの目印)、工場内の通路、主な設備、製品、そして休憩室。ハローワークの画像情報10枚と同じ写真が使えます。従業員が写る場合は本人の承諾を取ります。表示まで最長24〜48時間かかります。
3. 口コミには返信する。転載はしない
工場に口コミは多く付きませんが、付いたら返信します。返信は承認後にクチコミの下に「企業からの返信」として表示され、個人名は出ません。事実と違う口コミや誹謗中傷は、Googleのポリシー違反として報告できます。1つ注意があります。Googleの口コミを自社サイトの採用ページなどに転載することは、著作権の観点から認められていません。GBPの専門家がGoogle公式サポートに確認した回答として、Xで注意喚起されていました。載せたければ、リンクで飛ばします。
取引先や求職者に口コミを頼んで回ることは、勧めません。自作自演や不自然な口コミはペナルティの対象です。工場のプロフィールで見られているのは星の数より、情報が正しく更新されているかです。
4. 投稿機能で、お知らせを出す
展示会への出展、新しい設備の導入、採用の開始。ホームページのお知らせと同じ内容を、投稿機能にも出します。IT支援の動画で「最新情報は小さいブログのような機能で、展示会やセミナーの情報をそのまま出せる」と紹介されていたものです。更新されているプロフィールは、求職者から見て「動いている会社」に見えます。
5. Q&Aを自分で書いておく
「見学はできますか」「個人からの注文は受けていますか」「駐車場はありますか」。よく聞かれることを、自分で質問を立てて自分で答えておけます。求職者の「面接はどこに行けばいいですか」もここに書けます。
順番と、業者の提案の見方
順番は、まず会社名で検索して現状を見る、次にオーナー確認、基本情報を埋める、写真を10枚入れる、ここまでを1日でやります。投稿とQ&Aは、ホームページのお知らせを出すついでに続けます。
「MEO対策」として月額の提案を受けることがあります。MEO支援会社の担当者が動画で、業者に頼むと月4〜5万円だが「ぶっちゃけ全部自分でできる」と話していたとおり、上の5つに特別な技術は要りません。頼むなら、何を代行するのか、口コミの獲得方法が自然か、「上位表示保証」と言っていないか、の3点を見てください。
新工場や移転のときは1つ注意があります。開業前に登録する場合、オーナー確認を先にしてから開業日を設定すると公開停止になる事例が増えている、とGBPの専門家がXで注意喚起していました。手順は「後で確認する」を選び、開業日を設定してから、オーナー確認をする順です。
まとめ
- 工場にもGoogleビジネスプロフィールは存在する。登録していなくてもGoogleが作っていて、放置すると古い情報が出る
- 見ているのは客ではなく、求職者と、展示会・紹介で会った担当者、取引前の調達担当
- 来客のない工場は「非店舗型」(住所非表示+サービス提供地域)。順位はお金では買えない
- やることは、オーナー確認と基本情報、写真10枚、口コミ返信(転載はしない)、投稿、Q&Aの5つ
- まず会社名で検索して、いま何が出ているかを見る
製造業の会社のためのホームページ制作サービス「製造WEB」では、ホームページの公開に合わせて、Googleビジネスプロフィールの基本情報・写真・ウェブサイトのURLをそろえるところまで一緒に整えます。お知らせを出すときはプロフィールの投稿にも反映します。会社名で検索して古い情報が出た会社は、ご相談ください。
